診療日誌DIARY

DIARY診療日誌

骨折について 

「骨折について」

 カイロプラクティックでは、骨折は禁忌症となっていますが、院長は柔道整復師の免許を待っていますので、骨折も施術することができます。

 今回は骨折についてお話ししてみようと思います。

 

 骨折は原因によって、外傷性骨折・病的骨折・疲労骨折に分類されます。外傷性骨折は骨に強い外力が加わって発生します。病的骨折は骨粗鬆症や腫瘍などで骨の強度が低下したために弱い外力でも発生します。また疲労骨折は、比較的弱い力ですが反復して外力が加わることによって発生します。スポーツ選手などに見られることがあります。

 次に骨折の治癒のメカニズムについてお話しします。

骨折の治癒過程は、①血腫形成、②線維芽細胞の浸潤、③肉芽組織形成、④仮骨形成、⑤骨の再造形(リモデリング)、⑥治癒と進みます。

①  血腫形成・・・骨折すると骨折端から出血が起こり血腫ができます。

②  線維芽細胞の浸潤・・・血腫の中に線維芽細胞が入り込み、糸でからめたように骨折部が繋がってきます。

③  肉芽組織形成・・・血腫が塊状に硬化してきて、骨折端が動かなくなってきます。

④  仮骨形成・・・肉芽組織の中に軟骨性骨化が起こり、仮骨となります。また骨芽細胞も入り込み同時に骨形成も進んでいきます。

⑤  骨の再造形・・・破骨細胞によって過剰にできた骨が吸収され、多少の形状の変形が修復されていきます。

⑥  治癒・・・骨の強度も増し、本来の構造に近づき治癒となります。

 

 骨折の治療は、①整復、②固定、③リハビリで構成されます。

①  整復・・・骨折部の転位を可能な限り正常な位置に戻す。保存的な整復と手術による整復がある。

②  固定・・・整復位を保持し、正常な状態で骨癒合を図る。

③  リハビリテーション・・・早期の関節運動と筋力運動により関節の拘縮や筋力の低下を改善し、運動機能の回復を図る。

 全尽堂では、昔ながらの徒手整復と副木・副子を使って包帯固定を行なっています。骨折の治療では、特に受傷後1週間(骨折部が動く)の治療が大切で、出来れば毎日固定を除去して、整復の微調整をして、同時進行で関節の拘縮が起こらないようにリハビリを施して、また患部の腫れの変化に応じて固定をし直しながら完璧に癒合を図っています。またリハビリを同時進行で施しているため、骨が癒合したらその後のリハビリもいりませんので、どこよりも早期に治療が終了します。よくギブスで固定していて、ギブスを除去したときに骨が曲がって癒合してしまったと言う話を耳にしますが、当院ではギブス固定を使用していませんのでその心配はありません。

「もしもの骨折の際も、ご遠慮なく全尽堂にご相談ください。」