診療日誌DIARY

DIARY診療日誌

診療日誌(4)  平成24年9月~11月 

9月7日、A君は首が勝手に動くと訴えて来院。調べてみると首の胸鎖乳突筋がピクピクと急に痙攣を起こしている。ジスキネジア様の症状である。それと多動症状もあるようである。このような症状はほとんどがメンタルな問題であるので問診で尋ねたところ、5月頃より学校で苛めがあったようである。いじめの問題は何とか解決したようであるが、首の痙攣が残っているようである。そこで全身の緊張をほぐして、その後、苛められている情景を思い出させて、額に手を当てて頭を左右に揺さぶる方法でトラウマを開放した。
9月24日(3回目)、首の痙攣はほぼ消失したが、多動症状がまだ残っているので施術を継続。
10月17日(6回目)、多動症状もほぼなくなり落ち着いているということで施術を終了する。

 9月28日、Bさんは顔面筋の麻痺と舌の左側の味覚消失を訴えて来院。調べてみると左の末梢性顔面神経麻痺と左の鼓索神経麻痺であった。共に耳のある側頭骨の内耳神経管内での障害と思われる。また左の頸部の血管が怒張して循環が障害されていたため、内耳神経管内での血管怒張による神経圧迫が原因であるようだ。神経麻痺は神経の圧迫の原因を1日でも1時間でも早く改善してあげなければ、神経のダメージの程度によっては回復しなくなる。私は発症後2週間以内であれば自信を持って施術を引き受けている。2週間以上経過している場合は時として麻痺が残ることがある。Bさんは発症後ちょうど1週間であったので、早々施術を開始した。施術方法は胸郭と頸部の施術で静脈環流を改善して血管の怒張を解消し、頭蓋骨調整で特に患側の側頭骨を整える。また顔面筋の刺激とマッサージ、自宅での顔面筋体操(変顔を作る)を指導。
10月2日、2回目の来院であるが額と瞼の筋肉が少し回復してきている。
10月16日(8回目)、額と瞼、味覚はほぼ100%改善した。
11月2日(15回目)、全ての麻痺がほぼ改善し施術を終了する。

 9月28日、Cさんは、右偏頭痛と右頸部の痛みを訴えて来院。調べてみると右の胸鎖乳突筋の緊張による頸部痛と筋緊張による放散痛が原因の偏頭痛であった。胸鎖乳突筋は脳が直接支配しているためメンタルな問題で異常緊張を起こすことが多い。そこで問診でメンタルな問題がないか尋ね、A君のように施術でそれを開放した。
10月3日(3回目)、施術後少し良いがまた戻ってしまう。
10月9日(5回目)、施術効果が持続するようになってきた。
10月16日(6回目)、前回施術より1週間何ともなかったので施術を終了する。

 11月13日、Dさんは激しい嘔吐下痢を訴えて来院。調べてみると今流行りの腹かぜのようである。カイロ施術で交感神経の興奮を抑え免疫力を高め、3日間の絶食と生姜湯(1日3回)、それから腹部を温めて、脱水症にならないようにポカリスウェットなどを飲むように指示。生姜は殺菌力が高く、体を温め免疫力を高める作用がある。嘔吐と下痢は身体の防衛反応である。お腹に侵入したバイ菌や毒素を体外に排出する反応であるので、安易に止めては反って病気を重症化させてしまう。お腹が綺麗になれば自然に止まるものである。抗生物質や抗ウイルス薬を使用すると腸内の善玉菌も死滅させて反って免疫力が弱まり、また病後の回復を遅らせる場合がある。
11月14日、まだ下痢がひどい。
11月15日、ほぼ下痢が収まった。後は腸炎で弱った粘膜に負担をかけないためにもう1日絶食してもらう。
11月16日、1~2日かけて徐々に普通食に戻すように指導し、施術を終了する。