診療日誌DIARY

DIARY診療日誌

診療日誌(2)  平成23年10月 

10月 8日;Aさんは開口障害(顎関節症)を訴えて来院。右顎関節の咬筋が緊張して、顎関節が強く嵌り込んで関節の軟骨板がうまく動かなくなっていました。また顎関節がある側頭骨がずれて左右の関節の位置がくい違っていました。そこで側頭骨のズレを調整し左右の関節の位置を揃え、内側翼突筋という咬筋を弛緩させて、顎関節を広げるように施術すると数回の施術で口が開くようになりコツコツという音もなくなり治癒しました。

10月11日;Bさんは右手親指の痛みを訴えて来院。調べてみると親指を伸ばす筋肉の腱や鞘の炎症(狭窄性腱鞘炎)であった。親指の使い過ぎが直接の原因であるが、筋の作用する関節が正常に機能していない場合に腱に過剰な負荷がかかり炎症を起こすのである。施術では親指から肘関節まで関節の微妙なずれやスムーズに関節が可動するように施術すると腱鞘炎はすぐに治ります。

10月15日;Cちゃんは転んで左手をついて左手首が痛いと言って来院。調べてみると左手首の少し上の方で骨折していた(コーレス骨折)。院長は昔(20数年前まで)接骨院をしていたので今でも時々骨折の患者が来る。子供の骨折は若木骨折と言って骨折しても表面の骨膜が損傷しないことがあるため、あたかもテープを巻いたようになりほとんど転位しないことがある。Cちゃんも少し屈曲していただけだったので、真直ぐにのばして添え木を当てて固定した。
当院ではギプスは使わず、添え木(副木)を使って固定する。来院すると包帯をはずし、転位があれば再整復するので曲がってつながることはない。また固定している関節も動かして拘縮しないようにリハビリも並行して行っているので、骨折が癒合すると治療が終了するのではるかに早く治癒する。昔は接骨院でも骨折の患者さんが日常茶飯事でたくさん来た。私も10年間で1000例位治療して、ほぼ全身の骨折を経験した。今では整形外科へ行って接骨院には骨折の患者さんはほとんど来ないとのこと。接骨・ほねつぎではなくなり残念に思います。

10月20日;Dさんは左下肢の前面が痛くなって、整形外科で受診。軽い椎間板ヘルニアと診断を受けてブロック注射を受けたが改善せず当院に来院した。調べてみると大腿神経が腹部の深部の大腰筋と腸骨筋の間で圧迫されているようである(絞扼による大腿神経痛)。圧迫されている部分を緩めて広げるような施術を施したところ数回の通院で治癒した。

10月26日;Eさんは8月10日頃より左耳が聞こえなくなってきて、耳鼻科で突発性難聴と診断を受け、入院の上ステロイド治療を受け、その後通院で投薬を続けているが改善が見られず紹介を受けて来院した。調べてみるとEさんは首の左の静脈圧が上がっていて、脳硬膜の左半分が緊張し左側頭骨もずれていた。前回の診療日記でも解説したが、発症後2週間以内に施術を開始出来れば、ほとんど回復するが2週間を過ぎると神経がダメージを受けて回復が見込めないことがある。そのことをEさんに説明して、施術をしてみることにした。どうか回復しますように・・・。

10月28日;Fさんは現在妊娠3ヶ月。急に左の腰痛を訴えて来院。調べてみると左の仙腸関節骨盤の関節)が緩んで少しずれていた。妊娠中の腰痛はホルモンの関係で骨盤の関節が緩んできて起きることがほとんどである。これは産道を緩めて分娩の準備をするのであるが、骨盤の関節が緩んだままにしておくと流産や早産になりかねないので、仕方がないと放置せずに腹帯をして骨盤を締めたり、出来れば施術をした方が良い。最近は腹帯も使い勝手のいいバンドを使う人が多いが、伸縮性のバンドでは圧迫はできるが固定にはならないので、やはり昔ながらのさらしを巻く方が良い。