◆身体の制御機構と運動記憶を担う小脳◆

我々の身体の機能は、末梢のセンサーからの情報→末梢からの知覚神経→脊髄の上行路→小脳と視床→主に小脳での情報の集約→前頭葉の運動野や脳幹の自律神経中枢→命令の出力→運動神経や自律神経→脊髄の遠心路→遠心性の末梢神経→筋肉や内臓・分泌腺などの効果器、以上のネットワークを介して絶えず情報と命令を修正しながら身体機能を正常な状態に保っています。その一連のネットワークの中で特に重要なのが小脳です。

　小脳にはフィード・バックとフィード・フォワードと言う制御方法があり、フィード・バックは命令によって末梢の効果器が作動して、その結果どうなったかと言う情報が瞬時に小脳に戻ってきて、直ちに出力を修正してまた出力を繰り返す、言わば後付の制御方法である。またフィード・フォワードは様々な情報や記憶などを元に予測的に始めから正しいであろう命令を出力する方法である。

　反応が遅くても良い機能制御は主にフィード・バックで行なわれ、早い反応が必要な機能制御はフィード・フォワードで行なわれています。特にフィード・フォワードが運動のパフォーマンスを向上させます。例えば、柔道では、相手の動きを予想してそれが上手くいくと相手を綺麗に投げることができるのである。また野球では、一流の打者は投手がどこに投げてくるかが予め分かるので、打てるのである。逆に一流の投手は、打者がどこを振ってくるかが分かるから三振させることが出来るのである。これらはフィード・フォワード制御が普通の人より正しく出来るからです。一度、自転車や運動を覚えると長い間行なっていなくてもそれなりに出来るのは運動が記憶されているからです。運動の記憶もまた小脳の重要な働きです。

　カイロ施術では、ネットワークの施術が出来ますし、小脳の機能を高め、パフォーマンスの向上が出来るのです。特に、身体機能が低下してきているお年よりや、スポーツに取り組んでいる方は、定期的にカイロ施術を受けられる事をお勧めします。